内容
生理学研究所は、タイ王国のチュラロンコン大学薬学部と、9月30日に、学術研究協力に関する協定を締結いたしました。チュラロンコン大学は1917年創設で学生数22,455人(加えて修士課程10,746人、博士課程2,394人と職員数8,096人)のタイ国最古で最大の大学で、タイ国内の各界に人材を輩出しています。このたび、生理学研究所より岡田泰伸所長ならびに伊佐正教授(生理学研究所研究総主幹)、さらにチュラロンコン大学薬学部よりPintip Pongpech(ピンチップ・ポンペック)薬学部長ならびにParkpoom Tengmnuay(パクプーム・テンニュエイ)副学部長の出席のもと、バンコク市内のチュラロンコン大学において締結式が執り行われました。これまでにも、伊佐正教授研究室を主として、多くの若手研究者と大学院生が同学部より生理学研究所に滞在して研究を行い、多くの成果を挙げてきました。とくに、脳神経系の作動原理とその物質的基盤に関する研究交流の促進に関する分野で、今後さらに研究交流の枠を拡大・発展させたいと考えています。調印式の前後に岡田所長と伊佐教授は大学を視察し、Pirom Kamolratanakul(ピロム・カモラタナクル)学長とも懇談し、今後の日泰の交流促進について意見交換を行いました。
協定の期間は当面5年間。今後、交流の枠を拡大し、大学院生や若手研究者の受け入れ等による活発な共同研究を推進していきたいと考えています。
※参考資料 「Chulalongkorn大学と生理研との交流の歴史」
2003-2004年 Thongchai Sooksawate博士滞在、共同研究(生理研外国人研究員)
その後13回にわたりー3か月の滞在を行い、その成果は今日までに
PNAS1編、J Neurophysiol 1編、Eur J Neurosci 2編、Neurosci Res 1編
さらに現在EJNに1編投稿中(いずれもSooksawate博士が1st author (equal
contribution含む)という成果として表れている
2005年10月―2008年9月 Penphimon Phongphanphanee氏が総研大国費留学生
同氏はその後非常勤研究員を経て2010年より特任助教(J Neuroscience誌に3編(うち2編は1st author))
2006年5月-9月Anusara Vattanajun氏(Phramongkutklao医科大学講師、Chulalongkorn大学研究生)が滞在(Eur J Neurosciに1編)
2010年6月―12月Aree Wanasuntronwong氏(CU大学院生)
2010年6月―12月、2011年3月―7月にOraphan Wanakhachornkrai氏(CU大学院生)が滞在して共同研究を行った。
一方、伊佐は2004年12月にChulalongkorn大学が主催して行ったIBRO Schoolの講師として2週間バンコクに滞在し、アジア地域の若手研究者の実験トレーニングに参加した。
また、2010年1月にもバンコクでのIBRO schoolにおいて講義を行った。
そのほか、Boonyong Tantisira、Mayuree Tantisira博士は数多く生理学研究所を訪問している。
今後は伊佐教授研究室(認知行動発達機構)だけでなく、南部教授研究室(生体システム研究部門)他でも若手研究者の交流を図りたい。